人生日記

思いつきの文章を綴っている日記帖

AIと絵師

AIと絵師

最近はAIと絵師について思うことがあるので、センシティブな記事を書いてnoteにでも投げようかと思ったけど、自分は趣味でたまに絵を描く程度だし、AIに関する知見も全くないため、迂闊なことを書いてもしょうもないと思ったので止めた。

皮肉色が強くてあんまりポジティブな影響もないだろうし。

 

思っているポイントだけ簡単に挙げると

  • 大半の絵師の価値は落ちる。もちろん部分的にAI技術を使って絵を描く絵師は大量に増えるし、彼らが投稿した絵も表面的なfav数がインフレしていくと予想されるが、それによって絵師自身の承認価値は上がる訳ではなく、金銭的対価も得づらくなると予想する。これによって利益を得るのは今まで絵師を「雇う」側であった属性の人間やAI技術開発者で、人間の絵師自身は表面的な数値とは裏腹にジリ貧になっていく可能性が高い。
  • さいとうなおきやミカピカゾなど、ブランディングにも長けている最上位層の絵師、または模倣が難しいごく一部の画風の絵師しか「有名絵師」としては残らなくなると思われる。
  • そもそも今までの絵師も部分的に機械に頼る部分(≒人間の天性のセンスではない部分)も多かった。ポージングをした3Dモデルを用いてデッサン力をドーピングしたり、完成した絵を色調補正スライダを用い編集する行為は、AI同様にアナログ絵師から見れば邪道であろう。今回はインパクトが強すぎるとはいえ。

  • 「本来自然に描き始めるほどには絵が好きでなかったが、さいとうなおきの動画を見て絵を描き始めた」タイプの初心者は、承認欲であったり絵が描けるスキルを持つ自分をひけらかしたいだけな側面が大きいと思う。新たな価値創造をせず、マニュアルに沿って模倣欲を満たし、ひいては承認を満たすインスタントさから構築された薄っぺらいアイデンティティはAIによって容易に駆逐されることを示していると思う。これは他分野でも同じで、他者が提示したマニュアルに沿うだけで比較的容易に身に着けられる才能はコモディティ化するし、それを「人間がやる」ことに強い意味づけがない場合はAIに代替される。
  • 3年後のイラスト界隈予測

    • 8割のイラストは部分的なAIの使用を前提とした作品になる

    • 著作権/倫理的に問題がない学習データ使用の表記がデファクトになる

    • 新しい絵柄を生み出せる最上位絵師が、自由使用可能な高額モデルを販売する流れが生まれる

ちょっとネガティブな見方が強いけど、こんな感じ。

絵に限らず、AIが今人間のやってることを無駄にする系の議論はさんざんされていると思うけど、何の文献を読めば手っ取り早く今の雰囲気をつかめるかね。

最近以下の記事がバズってるようだが、長いし英語だしでまだ読めてない。

 

AI絵師の承認

「他者が描いたものを抽象化する力、あるいは試行錯誤の中での偶発的な発見を、自分の創作技術に変えていくプロセス」が "神が人間に与え給うた力の顕現" として捉えられ、それが現段階での「絵師そのものの承認」に繋がっているので、AI絵師は承認に繋がらなくても文句は言えない。

簡単に言い換えると、AI絵師にファンがつくことはかなり少ないだろう、ということ。

 

このブログで何度も引用している瀧本哲史が言っている「コモディティ化」の流れである。

実際、最近多くの人が「モノ消費からコト消費へ」と言っていますが、この背景には大きなトレンドがあります。商品が実現するスペックが技術革新や日常的な改善により青天井に上昇した結果、現在はユーザーにとってそれらが差別化要素として意味をなさなくなったわけです。ここでもハイスペックコモディティになっているわけです。
そんな中で、単なるハイスペックであることよりも、文脈やストーリーといったものが評価されるようになるのは当たり前の話です。

この文章から得られるヒントとして、文脈やストーリーによる差別化に今後の比重は移っていく、ということ。

AI嫌悪している絵師が多い現状、いかにメタ的な視点に立ち、AIを前提としてそうしたコト消費戦略を仕掛られるかが肝だと思う。その際に重要なのは、AIイラストの生成プロセスをよく理解し、それが起こしうる倫理的な問題も予見して、消費者の反応とのバランスを取りながらストーリーを紡ぎあげていくことだと感じる。

AIと仕事

AIによって奪われづらい仕事。

運悪く将来的にAIに代替される仕事に就いてしまっている人は、日々の作業の中で「思考停止している時間」は常にAI代替リスクを高め続けている時間であることを認識して、メタ的な能力を使う努力をしなければいけない。

もちろん8時間ずっとフルパフォーマンスを発揮するのは厳しいので、1日1~2時間からでもよいので「新しく価値を生むために集中して抽象的に思考し、それを実践へと転嫁させる時間帯」を設ける。

自分の作業が単純作業である自覚がある場合、なるべく早くそこから脱却する意識で行かないといけない

他人と喋れない人間はAIに代替されるのか?

AIの残酷なところは、弱者をさらに弱者たらしめる可能性があるという点。

僕は一人で家に籠もって創作ばかりをしていたため、弱者の性質を帯びてしまっている部類の人間だ。

なるべく早く法律の恩恵を受けやすいポジションに就く

日本には解雇規制がある。

法律は容易に変わらないので、AIによって採用が凍結されてしまうタイプの職業に就きそうな場合、なるべく早めに少しでも年収が高い会社に転職を済ませるべき。

 

今、自分がやっていること、取り組んでいる努力は全てAIによって代替され無駄になる可能性を孕んでいるのでは?という虚しさと戦うためにどう生きていけばいいか、しばらくちょいちょい考えたいわね。

(これを突き詰めていくと人間のあらゆる競争欲だったり、地位欲、他人に勝ちたいというタイプのあらゆる欲求が否定される可能性も湧いてくる気がしてくる。)

そもそも人生が無駄という結論にまでは飛躍しない範囲でね。