コンビニ人間
少し前から気になっていた「コンビニ人間」という小説を読んだ。
読み始めてすぐに「あ、この主人公、発達障害だな」と思った。
後から気付いたが、Googleでこの本を検索しようとすると「コンビニ人間 アスペルガー」と出てくる。世間でも、そういう認識らしい。
中軽度のASD持ちの自分としては、全体的に主人公に共感する部分が多い。
- 「目的のない自由時間」を与えられると仲間はずれになるとわかっているから「タスクが明確に与えられた時間」を願うところ
- 一般人への「擬態」を試みようとしているところ
- プライベートな話題に踏み込まれると不利になると事前にわかっているからそれを避けようとしているところ
- 人間の感情がないように見せかけて、微妙に人間としての共感性を残しているところ(それも、「一緒に喜びを分かち合いたい」というポジティブな共感ではなく「悲しませたくない」などのネガティブな共感)
などなど、書き出すときりがない。
多分、俺がASDでなかったら、この本はただ変人がコンビニで長年働く話を読ませられただけでオチも強くないし、面白いとは思わなかった、と思う。
「現代の実存を問い、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説」と紹介されていたが、俺には「ASDから見た世界の映り方」をテーマにした小説としてしか読めなかった。
決めつけ強めかもしれないが、ひたすらこの観点で面白い作品だと思った。
発達障害啓発週間
話は変わるが、今、世間では発達障害啓発週間らしい。
今、個人的に「ASDアンチパターン」みたいなドキュメントを書いていて、どこかで公開したい。自分をグレーゾーンASDと認識できず、一般人と同じような生き方を目指してしまうASDが一番生き辛いと思うので。