人生日記

思いつきの文章を綴っている日記帖

"若さを消費し終えたら早く死にたい子" が増えている現状

少し前の話になるが、お気に入りのラーメン屋が閉店したからという理由で自殺した17歳のトー横キッズがにわかに話題になった。

このタイトルだけ見ると馬鹿げた釣り記事のようにも見えるのだが、個人的にはこれを嘘松の作り話だとは思えないというか、彼女は実在していただろうし、その気持ちに共感できると思ってしまう。

 

世の中には、ただ生きてているだけ、呼吸をするだけで、ダメージを受け続けている人間が存在する。そのタイプにも色々あって、視線恐怖、醜形恐怖、対人恐怖、うつ、感覚過敏、ミソフォニアなど多種多様である。

彼ら彼女らにとっては、24時間365日が、さながらAPEXでいうリング外にいる状態だ。死なないように何とかその場しのぎでHPを回復することが、生きる目的と化してしまっている。健常者には想像がつかないかもしれないが。

日頃から無限に細かいかすり傷を心に受け続けていると、ちょっとしたことで完全に心が折れてしまって自殺に踏み切りたくなってしまう。

それこそ、お気に入りのラーメン屋が潰れた程度であってもだ。彼女たちは精神が弱っており視野狭窄に陥っているから、そんな些細なことだけが唯一の心の支えになってしまっている。

 

トー横界隈にはこういう「なんとなく死にたい気持ちを抱えている若者」が多い。

先程の例に限らず、以下の記事の例もそれに該当する。

「僕も25歳まで生きているつもりはありません。だから将来の目標なんてないですよ。せいぜい死ぬまで、好きな格好をして、ちょっと気の合う奴らと酒を飲んで、楽しめたらそれでいいと思ってます」

彼らにとって次の世代に命を繋ぐことなどはもはや頭になく、人生は消費物でしかない。

うだつの上がらない青春、中高生時代を過ごしてきた彼らは、本当は「将来の目標がない」のではなく、「今更頑張っても将来報われる可能性がないから頑張れない」のだろう。

他に選択肢はなく、最後の虚勢を張るための消極的選択肢としてグレるしかない。

「自分は決してチー牛ではない」と信じて疑わなかったキョロ充の彼らはホストに体験入店し、二軍の底辺なのか三軍なのかよくわからない彼女達は、厚化粧をして手っ取り早く量産型の地雷と化す。

 

トー横の例に限らず、最近のインターネットで観測されるZ世代達の空気は明らかにこうした雰囲気に寄ってるな、と思う。

自殺を主題にした「夜に駆ける」の歌詞に共感し、NEEDY GIRL OVERDOSEの超絶最かわてんしちゃんに共感し、そしてネガティブと死にたさに溺れる自分に陶酔する。

ところが、口先では「早く死にたい」と言いながらも、彼らのうちよく考えた末に自殺に踏み切る決断力を持った人は少なく、単なる一時的な現実逃避に終わるパターンも多いだろう。

若さだけが取り柄だった彼らもいずれその輝きを失って枯れた中年になり、若さを能力・資産へと変換できなかった者は、死ぬまで最低賃金周辺の労働をする。そんな暗澹たる未来が待ち受けているのかもしれない。

 

これまた最近のインターネットで流行してる日本オワコン論も、彼らの心境とは無関係ではないだろう。「これから日本はどんどん貧しくなっていく」といった類の話をあちこちで聞かされ、生きる希望を抱ける子、将来のために頑張れる子が減るのもしょうがない。

変わらない賃金、いつまで続くかわからない円安、物価高で実質的な賃金は減り続ける上、社会保障費は重くのしかかる。

タイランドエリートだったりマレーシアのビザでも使って、本気で海外移住を視野に入れてもいいのではないか、と思ったりする今日この頃であった。